プロジェクト PROJECT
血清アシルカルニチン分析
様々な脂肪酸や有機酸とカルニチンが結合したアシルカルニチンと遊離カルニチンを測定する。
必要検体:血清0.5 ml、血液ろ紙
カルニチン:
脂肪酸からエネルギーを取り出す(ミトコンドリアβ酸化)ときに必須の分子。
血液浄化、低栄養、肝機能障害、腎機能障害時、バルプロ酸内服、等で低下することが知られている。
不足することで低ケトン性低血糖、心筋症、筋力低下、横紋筋融解症、ミオパチー、肝機能障害などをきたす。
アシルカルニチン:
元々は脂肪酸を代謝する酵素の先天異常(脂肪酸代謝異常症)や
アミノ酸や有機酸の代謝酵素の欠損(有機酸代謝異常症)のスクリーニング検査として発展。
最近になって成人領域でもこの様な、先天代謝異常症の患者さんが診断されるようになっている。
- 筋痛、筋力低下、高CK血症、脂肪肝、肝機能障害
- ALFE(acute fatty liver of pregnancy)
- HELLP(hemolysis, elevated liver enzyme, low platelet)症候群
成人例でみられやすい症状
元々は先天代謝異常症(先天性の脂肪酸代謝酵素の異常など)のスクリーニング検査
臨床的には「カルニチン欠乏症」の病態が重要な事が多い
- 長期経管栄養(ICU症例など)
- 透析、体外循環
- 長期の低栄養
- 重症心身障害者(筋量低下)
他にも臨床で関心をもたれている
- 成人心筋症の一部に脂肪酸代謝異常症?
- 肝疾患(NASH、NAFLD)とCPT-1の関連について
- 腎疾患の病勢反映? など