プロジェクト PROJECT
グリコサミノグリカン(GAG)
- ムコ多糖類に含まれるグリコサミノグリカン(GAG)を測定する。
- GAGとは二糖が直鎖状に繰り返されている多糖。
- GAGは体内にユビキタスに分布している。GAGで修飾された蛋白がプロテオグリカン。
- 当院で測定するGAGは、ヘパラン硫酸(HS)、デルマタン硫酸(DS)、コンドロイチン硫酸(CS)、ケラタン硫酸(KS)、ヒアルロン酸(HA)。
- GAGを分解する酵素群の先天的欠損による疾患(ムコ多糖症;Mucopolysaccaridosis)を診断するために開発された。
最近のトピックス(GAGと中枢神経系)
- 神経可塑性:CSやHA、KSなどが神経可塑性の制御に関連する事が多く報告されている。
- 軸索再生:CSは抑制的、HSは伸長的に作用する事が報告されている。
- 神経変性疾患:ALS患者の中枢神経系ではKSの蓄積あり。アルツハイマー病におけるアミロイドβの重合や沈着にKSが重要な役割を果たすことが報告されている。
ムコ多糖症の欠損酵素と蓄積するGAG
病型 | 欠損酵素 | 蓄積する GAG |
中枢神経症状 | 酵素補充療法 |
---|---|---|---|---|
I | α-L-イズロニダーゼ | DS | + | ○ |
HS | ||||
II | イズロン酸2-スルファターゼ | DS | + | ○ |
HS | ||||
IIIA | ヘパラン硫酸N-スルファターゼ | HS | + | |
IIIB | α-N-アセチルグルコサミニダーゼ | HS | + | |
IIIC | アセチル-CoA:α-グルコサミニドN-アセチル基転移酵素 | HS | + | |
IIID | N-アセチルグルコサミン6-スルファターゼ | HS | + | |
IVA | N-アセチルガラクトサミン6-スルファターゼ | KS | − | ○ |
CS | ||||
IVB | β-ガラクトシダーゼ | KS | − | |
VI | N-アセチルガラクトサミン4-スルファターゼ | DS | − | ○ |
VII | β-グルクロニダーゼ | DS | + | |
HS | ||||
CS | ||||
IX | ヒアルロニダーゼ | HA |