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代表 ごあいさつ
Metabolizumo projectのサイトにお越しいただきありがとうございます。
ここでは、このプロジェクトが起ち上がった経緯と目的をご紹介したいと思います。
近年、臨床の先生方の診療に対する負担が大きくなっており、臨床研究を進める時間や労力を捻出することが難しくなってきているように感じています。しかし、医学部で研究を進める上で、臨床症例をベースにした研究は大きな割合を占めており、ここを活性化しなければ島根大学医学部の研究は伸びていかないだろうと思います。症例の宝庫である附属病院で臨床研究を今以上に発展させていくにはどうすればよいのか、臨床家の皆さんをサポートして研究を進めていくにはどうすればよいのかを考えました。その中で、LC-MS/MS(液体クロマトグラフィー・タンデムマススペクトロメトリー)を用いて生体内の様々な活性物質を臨床症例で定量してはどうだろう、というアイデアにたどり着きました。
アミノ酸やその代謝物、リン脂質、オリゴペプチドなどの小さな分子が重要な生理学的役割を果たしていることが近年分かってきました。これらの分子は心血管系疾患やがん、糖尿病や肥満など、関連する疾患が多岐にわたります。また、LC-MS/MSを用いれば複数の関連物質を一度に測定することが可能であり、その定量性もELISAを凌ぎます。これを用いて様々な臨床症例で様々な生理活性物質を測定できる体制を構築してはどうか、それによってそれらの物質と疾患との新たな関連が解明され、診断法や治療法の開発に繫げられるのではないか、と考えた次第です。
そこで、井川前病院長にご相談して、病院の高度医療推進等基金からご支援をいただき、組織横断的にLC-MS/MSに詳しい方に集まっていただいて、3年前にMetabolizumo projectを起ち上げました。これまでにいくつかの物質の測定法を確立し、徐々に様々な疾患や病態での測定を増やしてきています(詳細については、本サイトの各プロジェクトの説明をご覧下さい)。
Metabolizumo projectは臨床検体を用いた様々な生理活性物質を測定するプロジェクトであり、そのデータを臨床研究の論文作成や研究資金申請に役立てていただくことが目的です。以下のような方は是非ご相談ください。
- Metabolizumo projectで測定可能な生理活性物質を、自分が興味を持っている疾患、病態で測定してみたい。
- Metabolizumo projectでは現在扱っていない物質だが、それを自分が興味を持っている疾患、病態で測定してみたい。
- 臨床研究をしたい(研究費申請をしたい)のだが、何かアイデアがないか悩んでいる。
これは、臨床の先生方を中心に、島根大学医学部での研究をサポートする目的で起ち上げたプロジェクトです。皆さまの研究発展の一助となれば幸甚です。
並河 徹